大学職員の仕事を理解するのに、もっとも効果的なのがOB・OG訪問です。
ところが、大学職員へのOB・OG訪問は、「周囲にお願いできる大学職員がいないから難しい」と感じたことはありませんか?
- OB・OG訪問って何を聞いたらいいの?
- 周りにお願いできる大学職員がいない…
- 他の方法で仕事について知る機会が欲しい
これまでに50名以上からOB訪問を受けてきた現役大学職員が「OB・OG訪問を想定して」奨学金支援課で働く現役の大学職員サキさんにインタビューしました。
この記事では、奨学金支援課の仕事内容が分かるだけでなく、OB・OG訪問の様子についても理解することができます。
「志望動機や就職後にやりたいことが上手く書けない…」という方は、大学職員の業務理解が足りていないことが原因です。
OB・OG訪問を通じて、世間であまり知られていない大学職員の仕事を、より理解していきましょう。
- OB・OG訪問の内容がわかる
- 大学職員の志望理由が見つかる
- 大学職員の選考・面接対策になる
大学職員の仕事の内容について
サキさんの業務内容について教えてください。
はじめまして。私の仕事を紹介しますね。
私、大学職員サキは奨学金支援課で仕事をしています。
私の主な業務は、
- 奨学金の給付・貸与の管理
- JASSO(※1)と大学の窓口役
- 各種、冠奨学金の獲得に向けた業務
という3点です。
(※1) 独立行政法人日本学生支援機構
大学では奨学金の給付・貸与を管理している
奨学金は、大きく分けて2つの種類があります。
- 一定条件を満たすことで受給することができる給付型奨学金
- 返済が必要な貸与型奨学金
大学全体で奨学金を受給している人数は、数千人規模と非常に多いのが現状です。
そのため、大学では奨学金の申請受付から、受給手続きまでを奨学金支援課で担い、必要に応じて、奨学金制度を運用している独立行政法人日本学生支援機構に繋ぎます。
奨学金に関する業務では、経済的に困窮している学生からの相談が多く、学費の工面に困っているケースがあります。
適切な奨学金を学生自身が選択できるよう、制度説明など多方面から支援します。
日本学生支援機構と大学の関係性
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)について、聞いたことはありますか?
日本学生支援機構は、「独立行政法人日本学生支援機構法(平成15年法律第94号)」に基づき、文部科学省所管の独立行政法人として活動している独立行政法人です。
- 奨学金事業
- 留学生支援事業
- 学生生活支援事業
学生は日本学生支援機構を通じて奨学金を受給することが多いため、手続き案内や、奨学金受給者情報の管理などを大学が行っています。
奨学金支援課は日本学生支援機構と大学とをつなぐ窓口的な役割を担っています。
冠奨学金の獲得に向けて大学内を取りまとめる
冠(かんむり)奨学金とは、奨学金の趣旨に合わせた受給資格条件が定められた学外の奨学金です。
日本学生支援機構や大学が用意する奨学金だけでなく、外部の奨学金獲得に向けて、制度理解や制度の浸透を目的に学生向けガイダンスの実施を行います。
- ○○記念奨学金
- (寄付者氏名)冠奨学金
- △△同窓会冠奨学金
冠奨学金は受給可能者数が限られているため、大学から数名のみを選出することになります。
冠奨学金への応募は、大学の代表受給者の選出を事前にする必要があるため、選考方法など、さまざまな検討を部署内で行います。
大学の基準・ルールを決めるのも大事な仕事!
大学職員の仕事で苦労した経験は?
現在の業務で苦労したことはありますか?
学生からの相談内容を紹介しますね!
現在の奨学金支援課での業務で苦労したことは、「奨学金の受給ができない学生との面談」です。
奨学金制度は誰でも自由に借りられるというわけではなく、制度上の要項が必ず存在します。
一般的な需給条件として成績などGPAを用いた基準ラインが設けられるのですが、GPAが極端に低く成績不良というケースは奨学金の受給が難しいことがあります。
奨学金を借りることができない学生が、目の前で困っている状況で相談に乗るときは非常に大変でした。
このケースでは、社会人として「何とか助けてあげたい」と思いつつ、「一部の学生だけが有利になるような不公平な支援はできない」という大学職員としての葛藤の間に立たされます。
ここ最近は、急激な経済状況変動に伴う奨学金制度など、柔軟な奨学金支援制度が増えてきたため、比較的多くの学生から奨学金申し込みを受け付けることができるようになりました。
奨学金支援の現場で、学生のリアルな声を聞いてきた大学職員として、今後、新たな奨学金制度の設立など働きかけをしていくことが私の役割だと感じています。
大学職員の仕事でやりがいを感じたとき
現在の業務でやりがいを感じた点はありますか?
毎日、充実してるんです!
奨学金支援課での仕事は多岐にわたりますが、やはり、「学生から直接お礼を言ってもらえる」というのは嬉しい瞬間ですね。
大学全体では、奨学金を借りている学生は数千人規模になりますが、学生ひとりひとりに事情や困っている背景があります。
「できないものはできない!」とはっきり伝えなければいけない時もありますが、やっぱり私たち大学職員は、学生の悩みを解決する方法を一緒に考えたいんです。
時には、貸与型の奨学金について、利子や利息の話を本気で学生にすることがあります。
借りたお金は社会人になって返さないといけない!
私が学生時代に奨学金を借りて、今も返済を続ける身だからこそできるアドバイスもあります。
卒業した学生が、社会人になった数年後に、
学生時代にサキさんに相談したおかげで、なんとか大学を卒業できた!おかげで就職して仕事ができている
と言ってもらえた時は嬉しかったですね。
学生たちは常に新しいものを吸収しようと頑張っています。
そんな学生を毎日見ながら仕事をする環境に、私もエネルギーをもらっています。
大学職員として次に考えるキャリアは?
サキさんは次のキャリアに何を希望しますか?
学生支援にもっと携わりたいですね!
私は「学生の悩みを一緒に考えて解決の手助けをしたい」と思っています。
就活生の頃の志望理由も同じことを考えていました。
次は、キャリアセンターで、学生の悩みを解決する業務に就きたいですね。
奨学金支援の業務では在学中のキャンパスライフを支える業務でした。
次は出口の部分にあたる就職支援に携わることで、学生支援という業務に一貫性をもって、自身の能力を高めることができるのではないかと考えます。
就活生・転職活動中の方へのメッセージ
「大学職員になる」の閲覧者にメッセージをいただけますか?
学生を子ども扱いせずに大人として接しています!
私は「学生の悩みを一緒に考えて解決の手助けをしたい」と思っています。
就活生の頃の志望理由も同じことを考えていました。
次は、キャリアセンターで、学生の悩みを解決する業務に就きたいですね。
奨学金支援の業務では在学中のキャンパスライフを支える業務でした。
次は出口の部分にあたる就職支援に携わることで、学生支援という業務に一貫性をもって、自身の能力を高めることができるのではないかと考えます。
まとめ
「大学職員にOB・OG訪問してみた」シリーズで今回は、奨学金支援課のサキさんからお話を聞きました。
奨学金という業務を切り口に学生支援やコミュニケーションについて、理解できたのではないでしょうか?
今回ご紹介したのは、奨学金支援課が担う業務の一部ですが、大学職員の仕事はまだまだたくさんあります。
サキさんの学生に寄り添う姿勢が印象的でした。
今回のOB・OG訪問を参考にご自身の経験を踏まえて、志望動機などを考える際の参考にしてください。
はじめてのOBOG訪問はだれでも緊張するものです。
大学職員の人数が少ない以上、あなたのまわりに相談できる大学職員がいないことは仕方のないことです。
- OBOG訪問で何を質問したらいいかわからない
- 大学職員の仕事内容をもっと知りたい
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