いざ転職しようと思っても、現状からの変化による迷いや不安の影響で家族や友人には相談しづらく、「大学職員に転職する場合は誰に相談したらいいのか分からない」という悩みを多くの転職希望者が抱えています。
なぜなら、大学職員という職種を知っている人が少なく、まわりに現役の大学職員がいないため相談する手段がないからです。
当記事ライターの現役大学職員トキは大学職員として働きながら、これまで50名以上の転職希望者からオンラインで相談を受け付けてきました。これまでの相談実績をもとにこの記事では大学職員に転職するための相談相手について目的別に紹介します。
この記事を読むと大学職員への転職が人気の理由と実体験に基づく大学職員のリアルな仕事像を知ることができます。結論として、大学職員として求められる3つの能力を理解した上で転職活動を行うことで面接官が求める内容を回答することができます。
大学職員に転職するならエージェントや現役職員に相談しよう
転職希望者の多くが「転職について相談する相手がいない」という悩みを抱えています。転職することで今の現状に変化が生じるため、家族に相談した場合は心配されたり、強い反対を受けるかもしれません。
職場の同僚に転職を相談した場合、あなたが転職活動をしていることが社内に筒抜けになるかもしれません。
就職活動を行う就活生の場合は大学のキャリアセンターや就職支援課に相談をすることができますが、転職希望の社会人はどこに相談すればよいのでしょうか?
大学職員に転職するための相談先は以下の3つがあります。
- 転職エージェント
- ハローワーク(職業安定所)
- 大学で働く大学職員(OB・OG)
転職によって働き方や職場の雰囲気が大きく変わるため、転職は人生における大きな決断のひとつです。さらに転職活動中は求人情報を調べたり、職務経歴書の作成、面接対策など取り組むことが多くに膨大なエネルギーを必要とします。
自分ひとりだけで転職活動を行うケースもありますが、まずは転職活動を持続できる環境をつくることが大切です。日頃の悩み相談は身近な友人や家族にすることができますが、転職に関する相談は転職支援を専門的にサポートしている場所で相談することがおすすめです。
身近な関係性ではないからこそ、相談しやすい話もある
転職求人やキャリアプランのことなら転職エージェントに相談しよう
転職をするためには求人に応募する必要があります。いろいろな転職サイトの中から自分にあった求人を探す方法もありますが、転職エージェントに希望する条件をあらかじめ伝えておいて、希望の求人が掲載されたら求人の紹介を受ける方法があります。
ただし、エージェントも転職希望者の転職をサポートするためにいろいろな求人を紹介してくれるので、マイペースでゆっくり転職活動をしたい人には向きません。
転職エージェントに相談するメリットはキャリアカウンセリングを無料で受けられることです。自分が希望する条件だけでなく、将来的になりたい理想像をエージェントと共有して、自分ひとりでは思いつかなかった選択肢や積み重ねるべきキャリアについて説明を受けることができます。
転職エージェントに任せるのではなく伴走仲間になってもらおう!
職務経歴書の書き方や面接対策などは、これまで何十万人もの転職支援実績のある転職エージェントの得意ジャンルなのでプロのサポートを受けながら自分の就職活動を有利に進めていくことができます。
転職エージェントは求人紹介で転職が決まった場合に企業や大学から成功報酬を受け取るビジネスモデルのため、転職希望者は無料でサービスを受けることができます。
以下の記事では、毎月の転職求人状況をチェックしている大学職員がおすすめする大学職員の求人が豊富な転職エージェントを紹介しています。
仕事内容や志望動機のことなら現役の大学職員に相談しよう
転職エージェントによっては特定の業界を専属で担当するエージェントが存在しますが、大学職員の仕事内容については転職エージェントではなく、現役の大学職員に相談するのがいちばん確実な方法です。
大学職員の中でも、大学職員に転職した経験のある中途採用の人に相談することができれば、自分の悩みや分からないことについて共感してもらえることも多く、心強い相談相手になるでしょう。
大学職員に転職する場合は志望動機を必ず質問されます。「どのように書いたらいいかわからない…」という場合は志望動機の書き方の型を意識して自分なりの表現で書いてみましょう。
- 大学職員に興味をもった理由
- 志望する大学職員になる必要性
- 自分の強みやこれまでの経験
- 入職後にやりたいこと
以下の記事では、大学職員の転職で使える志望動機の例文3選を紹介しています。志望動機の書き方について、意識するポイントをていねいに解説しているので参考にしてください。
まわりに相談できる大学職員がいない場合は当記事ライターの現役大学職員トキがオンライン相談(無料)を受け付けているので相談してください。エントリーシート・職務経歴書の添削だけでなく、自己分析の深掘りや模擬面接などを行っています。
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すぐ相談はNG!まずは自分で転職について考えることが大切
転職活動をするために信頼できる相談相手を見つけることは非常に大切ですが、いきなり他人に相談をするのは避けましょう。なぜなら、自分が実現したいことや目標が定まっていなければ、相談相手もアドバイスや助言ができないからです。
転職活動について、まずは自分自身の素直な気持ちと向き合って目標を決めましょう。自分で考える中でどうしても答えがでなかったり、他に人の意見を聞きたくなったりしてから相談しても十分間に合います。
人生の大きな選択である転職を焦って他人の意見に振り回されないようにまずは自分で考えてみましょう。
- なぜ転職したいと思ったのか?
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今の仕事で満足できない部分があったから転職を考えたのか、大学職員になりたいから転職を考えたのかどちらでしょうか?まずは、なぜ自分が転職したいと思ったのかその理由を考えてみましょう。
- 転職をすることで最も叶えたい望みはなに?
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転職をする上でいちばん重視したいことは何なのか明確にしておきましょう。大学で働くこと、年収、年間休日数、安定性など重視するポイントは人によってさまざまです。
人に相談することで自分では思いつかない考え方を得ることができたり、背中を押してもらうことができます。しかし、他人に相談するということは選択肢を増やしすぎることにもつながり、結局、決断できずに永遠と迷い続けることになる可能性もあります。
自分の転職に関する決断は最終的には自分で決めなければいけません。判断材料を明確にするためにも「自分は何を大切にしてどうしたいのか」をあらかじめ言語化しておくことで、迷ったときでも冷静な判断ができるようになります。
転職について自分で考えるということは、非常にエネルギーを使う大変なことです。ですが、結果的に判断材料を得ることにつながり、自分自身の助けとなることでしょう。まずは他人に相談する前に自分の考えを整理してみましょう。
大学職員に求められる能力を把握して転職準備をする
大学職員は事務職のイメージが強いため、「大学職員=事務作業」と思われがちですが、これは大きな勘違いです。確かに、学校法人の運営には事務作業が必ず必要になりますが、専任職員といわれる総合職の大学職員は事務作業だけをしているわけではありません。
大学職員に転職するためには大学職員に求められる能力を把握して、自分に適性があることをアピールする必要があります。大学職員に求められる主な能力はつぎの3つです。
- 調整機能を含んだ交渉力
- いまの枠組みにとらわれない挑戦力
- 素早く正確な行動力
大学職員には交渉力と調整力が求められる
大学職員は仕事で多くの方々と関わる機会が多いため、調整役になることが多くあります。
例えば、大学ではカリキュラム改正を定期的に行いますが、カリキュラムは大学がやりたいと思う内容だけで決めることはできません。文部科学省が定める学校設置基準などに照らしながら設置認可の内容から逸脱していないかなどチェックします。
理想案と現実可能な案を照らして関係者との調整や交渉が欠かせません。
大学教員が新しいカリキュラムに組み込む科目を議論する中で、理想とする単位取得数が大幅に増加しました。大学では学部ごとに単位習得制限(キャップ制)※1を行っているため、本当に必要な科目だけを厳選するよう交渉しながら、最終的には必修科目・選択必修科目・自由選択科目に設置科目を配置することでディプロマポリシーやカリキュラムポリシーに基づく理想とする新カリキュラム設置を実現しました。※1 単位習得制限とは1学期で履修可能な授業について単位数で上限を設ける制度のこと(参考:文武科学省)
枠組みにとらわれずに新たな挑戦が大学職員には必要
設立から100年以上経過している大学も数多く存在し、大学職員が勤務する大学は歴史と伝統のある職場です。そのため、大学には昔から行われていた慣行や独自の文化が根強く残っていることがあります。
一方で、現代の環境変化の流れは非常に早く、奨学金などの制度を時代に合わせて新設する必要が出ています。「昔からこうだった」ではなく、今の時代に必要とされるものを見極めて、実現のために挑戦できる能力がいまの大学職員には求められています。
2020年から2022年にかけて世界的に流行した感染症の影響で経済状況が急変した学生を支援する目的で新たな奨学金制度の新設が急がれました。同時期に日本学生支援機構においても家計急変に伴う対応方針が発表されるなど学外の動向を視野に入れながら学内で検討を行いました。大学独自の奨学金を新設する場合には財源確保や対象者定義の確定など各方面への依頼・調整に奮闘しました。(参考:日本学生支援機構)
大学職員が転職先として選ばれる理由は安定してるから
大学職員への転職をめざす理由はさまざまです。当記事ライターの現役大学職員トキはこれまでに30名以上の転職希望者から相談を受けてきましたが、大学職員への転職理由で多かった主な理由は次の3点です。
- 大学は歴史があり安定しているから
- 年収1,000万円を超える大学もあり高年収だから
- 学校法人によっては転勤がない大学も多いから
「大学職員は安定している」というイメージを持たれている方が多くいます。歴史ある大学では設立100周年を超える大学も存在しており、1世紀以上続く組織というのは東証プライム市場への上場企業と比較しても高い安定性を誇っているといえるでしょう。
大学職員の年収は学生数が多く、教職員数の多い大規模私立大学を中心に高くなる傾向があります。大学の風土として年功序列によるところが大きく、大学職員の場合は若手職員の頃から結果を出してインセンティブ給与をもらうことは難しいですが、毎年、一定の昇給を重ねる傾向にあります。
実際に住宅ローンやクレジットカードの与信審査では、大学職員という職業は公務員と同等の社会的信頼性があるため、審査が通らないということはほとんど起きません。
あまり知られていませんが、大学のキャンパスが特定の地域に集中していることで全国転勤がない大学が多いことも大学職員として働くことの魅力です。ただし、全国各地に附属高校などがある学校法人の場合は全国転勤の可能性があるので事前に確認しておきましょう。
毎年、一定額の昇給を見込むことができて、転勤の可能性が低いことで早いうちからマイホームを購入したり、子供の教育資金や老後費用などを計画的に積み立てることができます。人生設計を立てやすいという点は周囲の大学職員を見ていても非常に強く感じます。
学生を支える仕事がしたくて大学職員を目指す場合
大学職員といえば学生と関わる仕事のイメージが強く、学生と関わる仕事がしたくて大学職員への転職を志望するケースがあります。
大学を卒業した転職希望者の場合、自分の学生時代を振り返っていろいろなことに挑戦できた環境や自由に使える時間が多かった学生時代の大切さを再確認したこともあるでしょう。
学生を支える仕事がしたくて大学職員を目指す場合、具体的にどのようなかたちで学生を支援したいのか明確にしておくことが大切です。学生を支える方法はいくつもありますが、最近の大学生は以下のような悩みを抱えています。
- 悩んでいることを友人に相談できない
- ハラスメントを受けた経験がある
- 就活や将来について不安がある
一般社団法人日本私立大学連盟の私立大学大学生活白書2022によるとキャンパスの滞在時間が半減していることに併せて、「悩みを友人に相談する」と回答した学生の割合が大きく減少していることが分かりました。
困った学生を孤立させない、ひとりにしないための方法を検討していくことも今後の学生支援ではさらに重要となるでしょう。以下の記事では「学生を支えるための転職理由」についての例文を紹介しています。
まとめ
転職に関して家族や職場の同僚には相談しづらいものです。特に大学職員という特殊な職業への転職を考えている場合、転職経験者や職業に詳しい方が周りにいないかもしれません。
大学職員への転職に関する相談は用途を分けて次の方々に相談してみましょう。
- 転職エージェント
- ハローワーク(職業安定所)
- 大学で働く大学職員
求人情報に関することなら転職エージェントやハローワークで相談するのが最適です。大学職員の仕事内容やリアルな姿についての質問は大学で働いている大学職員に相談しましょう。
大学職員への転職が人気の理由は高い安定性、高年収、転勤がないなどさまざまです。転職相談をする場合、まずは自分が重視したいポイントを整理してから相談することで相手もアドバイスや助言がしやすくなります。
「転職を通じて最も重視したいポイントはどこか?」という質問に答えられることがベストですが、モヤモヤしていてはっきりしない場合はひとりで抱え込まずに相談することも有効な手段です。
- 大学ということで安定しているから
- 年収1,000万円を超える大学もあり高年収だから
- 学校法人によっては転勤がない大学も多いから
近くに相談できる相手がいないという場合は、当記事ライターの現役大学職員トキがオンラインで相談を受け付けているので利用してみてください。
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