大学職員の採用選考を受けるために、就活生・転職希望者が必ずやらなければいけないのが自己PRの準備です。
なぜなら、大学職員の選考では人柄を重視して採用する傾向にあるため「あなたはどんな人ですか?」という質問を数多く受けることになります。自分の強みや弱みを把握して面接官に理解してもらうためには過去の取り組みを交えながら自己PRすることが大切です。
この記事では大学職員をめざしている就活生からの添削依頼に基づいて、現役の大学職員が大学職員への就職を意識した自己PRの添削を行っています。
この記事を読むと大学職員として働く経験を踏まえた他では読むことができない自己PRの書き方や自己PRを考えるためのフレームワークがわかります。
結論、誰にでも自己PRになる長所や短所は必ずありますが、多くの人は3つの思い込みによってせっかくの自己PRを表面化させずに言語化できていません。「自己PRがない…」と悩んでいる場合は自分自身が思い込みをしていないかフラットに考えてみましょう。
就活生の自己PR(エントリーシート)を現役大学職員が添削した結果
就職活動をいつから始めるかは就活生によって異なります。就活生がまず始めに取り組まなければいけないのが自己分析です。自己分析をすることで自分の強みや弱みを明確にして自己PRを考えることができます。
今回添削した就活生の自己PRは、学生時代のアルバイト経験を通じて就活生自身の人柄や考え方がとてもよく伝わる内容でした。
自分の自己PRがうまくまとまらないと悩んでいる方は大学職員の就活スケジュールを参考にしながらまずは自己分析に取り組みましょう。
今回の自己PR添削では「現役大学職員から相談者さんへのメッセージ」が自己PRを作り上げるための大きなヒントになっています。自分の経験と照らし合わせて自己PRをブラッシュアップしましょう。
大学職員の詳しい選考スケジュールについては以下の記事を参考にしてください。
就活生が書いたESを大学職員が添削した総合評価
添削した就活生の自己PRは、具体的な状況を書くことで就活生の人柄がわかる良く書けた内容でした。大学職員の就活をする上で自己PRを考えておくことは欠かせません。
自己PRを通じて自分の人柄・強み・弱みをアピールすることで面接官に選考材料を提供することができます。面接官が書類選考や面接を通じて知りたいことは「あなたはどんな人ですか?」ということです。
自己PRでは「私は~が得意」「~が強みです」と自らの主張だけが書かれた内容にならないよう気をつけましょう。自己PRで主張したいことが客観的に判断できるような根拠・裏付けを交えながら構成を考えることがポイントです。
面接官が初めてエントリーシートを読んだときに、1回で内容が伝わる自己PRをめざしましょう。
自分本位の自己PRはダメ!
- 自分の人柄が伝わる自己PRになっている
- 当時の場所・人数など状況がわかる
- 主体的に行動する様子がわかる
- 行動の動機について触れるとさらに良くなる
- 最後のまとめが弱いのでもったいない
- 自己PR(400字以内)
添削を依頼した就活生の感想(利用者の声)
Kさん 女性 20代 |
- 曖昧だった部分を言語化できた!
-
自分の中で曖昧だった部分を言語化していただき自分の考えをまとめることができました。 本音を交えて伝えるのが苦手だったのですが、伝え方を教えていただきより具体的に働き方を想像することができました。 ESの他にも日々の情報収集の中で疑問に思っていた部分をその場で解消していただき物事をより多面的に見ることができるようになりました。 今回も貴重なお時間いただきありがとうございました。
大学職員をめざす就活生の自己PR
- 赤字…表記を中心に添削で修正した部分
- ①網掛け部分…相談者へのコメント
私の強みはニーズが異なる他者の要望に対応する力です。入試広報のアルバイトでは1回に20名前後が来場するキャンパスツアーガイドを務めました。中高生や保護者と一緒にキャンパス内を一周する活動でしたが中高生や保護者にキャンパスを一周し案内するツアーガイドであるが、マニュアル通りに行うと参加者の求める情報に対し提供が不充分であることや大学進学への関心が弱い年齢は反応がないことがスタッフ全体の①課題でした。原因は知識の偏りと対応力の不十分さだと仮定して、私は仲間に協力を求めてキャンパス内10学部の学部生1人以上に学部独自のエピソードや学校生活の情報を聞いてまわりその情報をスタッフ間で共有しました。そしてキャンパスツアーの参加目的を満たすことができるよう、ツアーの最初に世間話の時間を設け参加者のパーソナルな情報を聞き出すことで紹介する情報やツアールートの変更など②対応を行うよう提案しました。その結果ツアー中に参加者の相づちや質問が増え、満足度も向上しました。この強みを活かしマニュアルに沿った対応だけでなく③顧客ニーズに寄り添い独自のサポートを行います。
※相談者さんの選考活動に配慮し、一部文言を変更しています。
- アルバイト代は変わらない中でどうして頑張ることができましたか?
- 「○○な方の場合はこう対応する」など具体的なエピソードはありますか?
- 顧客と接する上で大切にしていることは何ですか?
自己PRを考える目的は面接官に自分の人柄を知ってもらうためです。自己PRでは強みや弱みについて考えることが大切ですが、自分のことであるがゆえに独りよがりの自己主張にならないように気をつけましょう。
「自分の強みや特徴は○○です」と就活生や転職希望者自身が感じた理由について、客観視できるエピソードを取り入れることで説得力が増します。自己PRでの主張を裏付けるためには以下の内容が効果的です。
- これまでの経験
- 周囲の人からかけてもらった言葉
- 当時、自分の周囲にあった環境や状況
自己PRでは自分の考えだけでなく、面接官にも納得してもらえる材料をしっかりと用意しておきましょう。面接官に自分の人柄が伝わることで選考がスムーズにすすみ、いろいろな質問をしてもらえるようになります。
自己PRは強みと弱みを言語化しよう
「自己PRを考えようと思ったが何から書けばいいかわからない」という悩みは多くの就活生・転職希望者が抱えています。ただ単に思いついたことだけを書いた自己PRでは一貫性がなく、自分の人柄を面接官に伝えることができません。
大学職員の選考にむけて以下のフレームに沿って自分の自己PRを考えてみましょう。
- ケース1.自分の強み(長所)と弱み(短所)を考える
- ケース2.これまでの経験からアピールしたいこと
- ケース3.これまでの失敗や挫折経験を振り返る
これら3つのケースをすべて考える必要はありません。まずはこの中で自分がいちばん考えやすい項目から自己PRを考えてみることが大切です。
いろいろと悩んで書き進められない場合は、キーワードだけでも箇条書きで書き出してみることがおすすめです。頭と手を動かしながら自己PRの内容を考えていきましょう。
自己PRは長所と短所で人柄を伝えることが大切
あなた自身の人柄を自己PRを通じて面接官に伝える必要がありますが、その目的は面接官と友人になることではなく、大学職員として採用後に活躍できるかどうかを選考するためです。自己PRの内容を考える時には面接官に「大学職員になっても活躍できる」と思われるような内容を考えましょう。
例えば、以下のような自己PRで「大学職員としての活躍像」をイメージできるでしょうか?
- 強み:誰にでも優しく接することができる
- 弱み:押しに弱く断ることが苦手
大学職員になると、奨学金や各種助成制度など申請に基づいて手続きを行うことがあります。特に期限を設けて広く周知を行う募集等に関しては期限厳守を徹底しなければいけないことが多く、大学として学生や教職員などに対して公平性を担保することも大学職員の役割です。
「誰にでも優しいけど、断れない」ということは友人としてはとても良い人として映りますが、大学職員の採用選考ではやや不向きだと判断される可能性があります。上記のような自己PRを伝えたい場合は「断ることが苦手」という短所に関して、日常的な対応策についてもしっかりと説明しておきましょう。
以下の記事では大学職員の仕事内容や求められる能力について紹介しています。大学職員になるために必要なスキルは以下の記事で詳しくまとめています。
自己PRは経験を通じて自分をアピールしよう
大学職員の採用選考を通過するためには自分の強みや弱みを伝えるだけでは説得力に欠けてしまいます。ただ単に長所や短所を伝えるだけでなく、自分のこれまでの経験をもとにアピールすることで主張に一貫性を持たせることができます。
例えば「ニーズが異なる他者に対して最適なサービスを提案することができる」という長所があったとします。この長所について面接官に納得感を持ってもらうためには次のように経験を交えて伝えることが大切です。
私の強みは「ニーズが異なる場合でも周囲の状況を判断して最適な提案ができる」ことです。大学生時代のキャンパスツアーではマニュアルとおりの案内ではなく、参加者の年齢や志望度などをツアー開始前の雑談を通じて収集しました。ツアー中も目線の動きや歩くペースによって興味の度合いを図りながらその時の参加者に合わせたツアーを実施しました。
自分の強みや弱みだけを伝えるのではなく、これらに基づくエピソードを添えることで就活生・転職希望者の人柄が良く分かる内容になります。
自己PRを通じてこれまでの取り組み内容についてもしっかりと伝える準備をしておきましょう。これまでの取り組みを振り返りながら学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)について整理することも効果的です。以下の記事ではゼミ活動に取り組んだガクチカの添削結果を公開しています。
失敗や挫折の経験でも自己PRはできる
大学職員の採用選考では、人柄を中心に選考するため長所だけでなく短所にもスポットライトを当てた質問がされます。「ひとつの物事にものすごい集中力を発揮する」長所がある人は一方で、「集中するとまわりが見えなくなる」という短所を併せ持つように私たちの強みと弱みは表裏一体です。
大学職員に限らず社会人になると大きい小さいはあれど、必ず失敗をする時があります。大切なのは失敗や挫折をした時にどのように行動して立て直すことができるかです。
大学職員になると失敗や挫折後の行動が大切!
面接官が知りたいことは「この人にはどんな短所があり、どのように克服しようと意識しているか」ということです。自分の弱みについて過去の失敗や挫折経験を交えて説明することで状況や課題がイメージしやすく人柄が伝わりやすくなります。
ただ、自分の弱みだけを紹介するのではなく、過去の経験から何を学び、現在はどのように克服しようとしているのかをセットで伝えることで前向きな印象になります。
自分の短所を隠そうとするのではなく、どのように対処して改善しているのかをしっかりと示しましょう。
自己PRがないときは思い込みをなくそう
「自分には自己PRがない」と悩む就活生や転職希望者はまずは自分が思い込みをしていないか改めて振り返ってみましょう。私たちにはひとりひとり個性があるように必ず強みや弱みがあります。
しかし、日常生活の中では長所や短所などを意識する機会は少なく、なかなかすぐには思いつかないことがあります。まずは自己PRを考えるために以下の思い込みを払しょくしてクリアな頭で整理しましょう。
- 全国大会優勝などすごい成績がないとダメだと思っている
- 他人と比べて自分よりもすごい人がいると思っている
- 自分には強みがないと思っている
自己PRには特別な成績は必要ない
自己PRするためには全国大会優勝や営業成績No.1など特別に優れた実績がなければいけないと思い込んでいる方が多くいます。仮に特別な実績をあげた人しか大学職員になれないとしたら、ほとんどの人は大学職員になることができないことになってしまいます。
これまでにどれだけの成果や実績をあげたかについては自分の強みをアピールするための根拠や材料として活用することができますが、実績自体が自己PRになるわけではありません。
成果や実績は主張を補うために使おう!
特別な成果や実績に縛られることなく、自分の強みについて改めて考えてみましょう。
私には○○という強みがあります。◇◇の経験では××の実績をあげることができましたが自分の強みを活かした結果であり、今後も私の○○という強みは大学職員になっても学生支援や教員とのコミュニケーションにおいて発揮できると考えます。
他人との比較で劣等感を感じている
自分の長所や強みについて考える時に「○○さんの方が自分よりも優れている」と他人と比較している場合は気をつけましょう。面接官が知りたいことは目の前のあなた自身の強みであって他人との比較ではありません。
自分の強みについて他人の方が優れているから自己PRには使えないとひっこめてしまうことはもったいないです。例え同じような長所を持った就活生・転職希望者がいたとしても、取り組んできた過程や背景は全く異なるので気にする必要はありません。
他の志願者との比較は面接官の仕事なので気にすることはない
面接官は「この人の強みを活かして大学という職場で活躍できるか」という点を見ています。ほかの志願者との比較については面接官が選考の過程で行うので就活生・転職希望者は自分の自己PRをしっかりと行いましょう。
自分には強みや長所がないと思い込んでいる
自分に何らかの強みはあると分かっていながら「自己PRとして語れるほどの強みはない」と思い込んでいるケースがよくあります。
自分には長所がないと思い込んでしまう場合は自己PRにつながる長所を探すための時間を確保できておらず、まだまだ自己分析が足りていないことがほとんどです。
これまでの経験を振り返って、上手くいった取り組みだけでなく何ら苦労せずに行っていたことのまわりに自分の強みが隠れていることが多くあるので探してみましょう。
- これまでの経験で成功した出来事を振り返る
- 当たり前にできることが実は周囲と比較すると優れている
- 失敗を経て取り組んだ経験に強みとなるヒントがある
自己PRが上手く書けないときは他の人に話を聞いてもらいながら深掘りしていくことも効果的です。ひとりで抱え込んで煮詰まっているなら、友人や他の人に話を聞いてもらって強みや弱みをブラッシュアップしてみましょう。
当記事ライターの現役大学職員トキはオンライン相談(無料)を通じてエントリーシートの添削をしています。「てにをは」などの朱入れだけでなく、面接対策や自己分析の深掘りなど大学職員の仕事経験を活かした添削をしているので希望者は公式LINEから申し込みください。
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まとめ
大学職員の採用選考では人柄について知るための質問が数多くされますが、自己PRを面接官に伝えることは非常に効果的です。自己PRをするためには自分の長所や短所を伝えましょう。
自分の強みについて、ただ自分だけが主張するのではなく、これまでの取り組みや周囲の人からかけてもらった言葉などを添えることで一貫性や信ぴょう性をアピールすることができます。
- これまでの経験
- 周囲の人からかけてもらった言葉
- 当時、自分の周囲にあった環境や状況
自己PRを考えるために役に立つのがいくつかのフレームワークに沿って自分の強みや弱みを考えることです。以下の3つのパターンにこれまでの自分の行動を当てはめて、自分が伝えやすい自己PRを考えましょう。
- ケース1.自分の強み(長所)と弱み(短所)を考える
- ケース2.これまでの経験からアピールしたいこと
- ケース3.これまでの失敗や挫折経験を振り返る
「自己PRは自分のことを話すから自分が一番良く分かるはず」というのは確かにその通りですが、自己分析が進んでいなかったり、自己PRを考えようと視野が狭くなったりしている場合はうまく自己PRを考えることができません。
そんな時はひとりで抱え込まずに周囲の人に話を聞いてもらいながら「これはあなたの良い点(強み)じゃない?」と助言をもらいながら自己PRをブラッシュアップすることが効果的です。
当記事ライターの現役大学職員トキはオンライン相談(無料)を通じてエントリーシートの添削をしています。大学職員の仕事経験や高倍率の大学職員採用試験を通過した経験をもとに他では受けることができない添削をしています。
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