大学職員が仕事をする上で、大学教員と関わる場面はたくさんあります。
学生の頃と大学職員になってからでは、大学教員への接し方も変わります。
- 大学教員は講義のほかにどんな仕事があるの?
- 大学職員と教員の関係性は対等なの?
- 気をつけた方がいい教員がいるのは本当?
大学職員になると、教員とは同じ大学人(※1)として仕事をすることになります。
※1 大学人とは大学業界で働く人々を指す業界用語。
この記事では、一般の大学教員から学部長などの行政職教員まで、幅広い教員と共に仕事をしてきた現役の大学職員がこれまでの経験を踏まえて教員との関わり方について紹介します。
大学職員の採用面接では、最終面接の際に教員も面接官として加わる大学もあるので、大学職員と教員の関係性について理解しておきましょう。
- 大学職員の仕事内容がわかる
- 危険な大学教員の特徴がわかる
- 大学職員に必要な能力がわかる
大学職員は教員と頻繁に会議をしている

大学教員は講義やゼミのほかに、専門分野の研究や大学の仕事である校務を行っています。
私たち大学職員が教員と仕事をする機会はとても多く、代表的なものに絞って紹介します。
- 期末試験の採点依頼
- 教員任用の相談
- カリキュラム整備の打ち合わせ
- 各種委員会の打ち合わせ
- 新制度立案に関する検討
大学職員が教員と行う仕事を5つ紹介しましたが、まだまだ他にも存在します。
この5つの仕事はさらに次の3種類に分類することができます。
- 大学運営に関わる依頼事項
- 組織運営に必要な打ち合わせ
- 教員からの相談ごと
このように大学職員が教員と仕事をする場合は打ち合わせや会議を行い、今後の方針や対策について議論をしています。
毎回、議論すべき内容はいくつもあるため、事前に議題の整理をしたり議論の進行を大学職員が行います。
限られた時間でどれだけ議論を行い、多くの教員から理解を得られるかが重要になります。
毎学期の成績採点を大学職員が教員に依頼する

大学では学生が毎年度、10科目以上の講義を履修して期末試験を受けます。
学生ひとりひとりに成績をつける必要があるため、大学職員は成績付与に向けた準備を行います。
仮に1つの学部で400科目、5,000人の学生がいた場合、大学職員は400科目分の成績採点依頼の準備を行い、教員全員に採点・成績付与の依頼を行います。
大学で講義を担当しているのは専任の教授だけでなく、他大学の教授や民間企業の実務家教員もいるため、さまざまな人に依頼をします。
依頼を受けた教員は学期末試験の問題を作成して、採点を行い成績結果を大学職員に渡します。
このほかにも、新年度に向けたシラバス作成や科目担当教員の決定など、大学の運営に欠かすことができない仕事を依頼します。
大学組織の運営に必要な打ち合わせを行う

大学という組織はあまりに巨大なため、学部やキャリアセンター、入試部など役割ごとにそれぞれの組織に分かれています。
各組織においては、現場の意思決定権が委譲されており、各組織ごとに委員会を設置して意思決定を行います。
各組織の委員会においては、代表の教員がセンター長などの役職(行政職)に就き、委員会運営を行います。
大学職員は委員会運営にあたって、議事の素案や検討の方向性を行政職の教員と一緒に決めていきます。
行政職の教員との仕事は、細かな裏話などを共有することが多いため、非常に深く関わりながら仕事をすることになります。
教員からの個別相談に関する対応

大学職員が教員と仕事をするうえで、最も難しいのが教員からの個別依頼に関する対応です。
教員からの要望に可能な限り応えるためには、案件ごとに適切に対応する必要があります。
- どこに繋げば解決するのか?
- 現実問題で実現可能な相談なのか?
- 誰のために必要な相談なのか?
大学の意思決定の流れや過去の事例などを網羅的に理解しておく必要があります。
すぐに実現できない時や教員個人のエゴによる要求については、はっきりできないと伝えることも仕事です。

残念だけど、怒鳴ってくる教員がいるのも事実よ!
教員と仕事をする上で大学職員が意識すること
教員と仕事をするときに意識をすることは「相手に合わせること」です。
「学生と教員」といった関係性ではなく、共に仕事をする大学人として教員と接するときは、教員に一定程度の配慮をします。
教員の仕事は講義・会議・研究・学会・調査活動・イベント地方出張・メディア取材など、とにかく多岐にわたります。
忙しい大学教員と仕事をする上で、「この教員はどんなタイプか?」を早い段階で見極めて適切な依頼や共有を心がけます。
教員ごとのタイプを把握して、お互いに適切な距離感でコミュニケーションが取れるようになると大学職員としての仕事がやりやすくなります。
- 一度に伝えて欲しいタイプ
- 小出しにして欲しいタイプ
- 要点だけ知りたいタイプ
相手に合わせることができれば、結果的に大学職員の仕事もやりやすくなります。



相手に合わせるって実はすごい能力!
気をつけた方がいい教員のタイプと対策法
残念ながら大学職員にとって、気をつけた方がよい大学教授が存在するのも事実です。
ハラスメント気質の教員がいる場合は注意しましょう。
社会には「先生」といわれる職業が一定数おり、「先生」と呼ばれる方と仕事をする点では、医療事務・MR(医薬品営業)・パラリーガル(法律事務職員)・大学職員などが挙げられます。
大学職員を「事務員」として見下している大学教員には気をつけましょう。
- 罵声を浴びせる
- セクハラ発言
- 俺が言うのだからと脅す
一昔前は、絶対的なボス教授と言われる大学教員が、大学職員だけでなく若手教員に対してもハラスメントを行っている状況がありましたが、これらは完全にハラスメントです。


若手から中堅の大学職員は、気をつけた方が良い大学教員と仕事をせざるを得ないときは、
- 上司や同僚と複数人で対応すること
- 教員の個人研究室にはいかずに窓口で対応すること
- 抱え込まずに早いうちから周囲と共有すること
これらの対策をしてハラスメントに巻き込まれないように気をつけましょう。
大学にはハラスメント相談室や内部通報システムが整備されています。
教員も大学職員との関係性がなければ大学業務ができないことを理解しているので、ほとんどの大学教員は人としてお互いに尊敬の念をもって接してくれるので安心してください。
まとめ
大学職員になれば、教員と仕事をする機会は必ず訪れます。
大学職員が教員と行う仕事は次の通りです。
- 期末試験の採点依頼
- 教員任用の相談
- カリキュラム整備の打ち合わせ
- 各種委員会の打ち合わせ
- 新制度立案に関する検討
大学教員は専門分野で研究を続けるプロの研究者なので、研究過程や若い頃の下積み経験から人間的に魅力のある方が多くいます。
若手から中堅の大学職員は、大学教員という肩書に臆することなく積極的に仕事で関わっていきましょう。
その理由は「若手の大学職員は教員との仕事を重ねることで成長していくから」です。
やっかいな大学教員がいる一方で、人としての魅力にあふれた教員がいるのが大学という職場です。
人間と接するおもしろさ、人として成長する喜びを感じることこそ大学職員の魅力です。
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